2026年1月1日付けしんぶん赤旗にて、志位和夫議長と、国際的に著名なマルクス研究者であるマルチェロ・ムスト氏との対談の詳細が報道された。
この対談の中でムスト氏は、ソ連崩壊について「偽の社会主義の終焉としてのみ歓迎すべきか、それとも内部改革を望むべきだったのか」という問いを、繰り返し投げかけた。
しかし、対談内容がすべて文書化されているとするならば、志位議長は、ソ連体制が社会主義ではなく、改革不能であったという歴史評価を提示するが、旧ソ連崩壊をどのように総括するのかという、社会主義論にとって不可避の問いに対して、明確な回答をしていない。
この問いは、日本共産党が掲げる未来社会像の妥当性や「社会主義ではなかった」という整理の理論的基準、マルクス理論と20世紀社会主義の関係を同時に問い返すもので、たいへん重要だった。
また、これまでムスト氏が一貫して主張してきたのは、未来社会像の非固定性と、マルクス理論の未完性である。これらは、日本共産党綱領が掲げる明確な政治目標としての共産主義社会とは異なる立場であるにもかかわらず、その相違点は対談の場で正面から扱われなかった。
結果、この対談は、友好的に進行したが、率直な理論交流の場というよりも、国際的学術権威を導入することで、日本共産党の理論的立場が国際潮流と断絶していないことを印象づける役割を担ったと言えないだろうか。
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